2020年4月19日日曜日

【2020年最新版】フィリピン財閥を徹底解剖! Ayala corporation -アヤラコーポレーション-

フィリピンの歴史、経済を語る上で財閥の存在は欠かせません。財閥なくしてフィリピン経済は成立しない、といっても過言ではありません。

そんな「財閥」を複数回にわたって徹底解説してまいります。

今回は、

Ayala corporation -アヤラコーポレーション-

です。

f:id:Philippineinvestor:20200419150040p:plain

アヤラコーポレーションはフィリピンがスペインに植民地支配されていた1834年に設立されたフィリピン最古の財閥になります。もう創業から2020年で185年経っています。

f:id:Philippineinvestor:20200419202101p:plain

HPにも大々的に185周年が謡われていますね、

フィリピン経済の代名詞ともいえる存在の企業でありますが、一方で最近は、小売り最大手のSMやJG、サンミゲル等も台頭してきており、かつてほどの存在感を失っているのもまた事実です。

アヤラコーポレーションは当初からフィリピンの社会基盤やインフラの拡充に積極的に参加してきました。1888年にはフィリピンで最初の路面電車サービスを発表、さらに第二次世界大戦後は金融地区としてのマカティの大地主として、その発展に大きく寄与しました。

フィリピン経済の中心のマカティの存在はアヤラなくして語れません。そして、フィリピン不動産投資家としても、投資先としてマカティは外せない場所なので、まさにアヤラなくして、フィリピン投資なし、ともいえると思います。

マカティの大家さんであるアヤラは日本で言うと丸の内の大地主である三菱財閥に通じるものがありますが、実際、三菱グループの中核企業である三菱商事はアヤラコーポレーションの主要株主であり、2020年時点で6%程度の株式を保有しており、アヤラコーポレーションの取締役のうち1名を派遣しています。現在は三菱商事マニラ支店長の松永啓一氏がアヤラコーポレーションの取締役を兼務しています。ボードメンバーとしてしっかりHPにも記載がありました。

f:id:Philippineinvestor:20200419202458p:plain

アヤラコーポレーションのスペインの血をひく6代目当主ハイメ・アウグスト・ゾベル・デ・アヤラ会長はハーバード・ビジネススクールで経営学修士号(MBA)を取得している超エリートです。フィリピン企業の財閥というと何となく、どんぶり勘定で適当なイメージがあるかもしれませんが、少なくてもアヤラコーポレーションに関してはおそらくそういったことは一切ない、と断言できます。むしろ下手な日本企業よりよっぽどガバナンスがしっかりしています。

f:id:Philippineinvestor:20200419214203p:plain


アヤラコーポレーションは現在、関連上場企業はAyala Land ,inc(不動産)を筆頭に5社あります。不動産のアヤラランド以外にも銀行の「Bank of philippin Islands(BPI)※バンクオブフィリピンアイランド」や通信の「Globe Telecom,inc(グローブテレコム)」等、インフラ、社会基盤関係を中心に、非常に幅広い分野で関連子会社があります。情報公開されていない非上場会社を含めると総資産は間違いなく、フィリピン国内トップクラスになることは間違いありません。

ここでアヤラコーポレーションの直近の株価の推移を見てみましょう(2020年4月17日時点)

f:id:Philippineinvestor:20200419172521p:plain

こちらは10年チャートになります。今回のコロナショックで大きく株価を下げています。現在の株価は2014年の水準と同じであり、アヤラの実力とフィリピン経済の発展を考慮すれば、かなり割安の水準と言えます。

アヤラの強みは何といってもフィリピン最大の金融エリアであるMakati(マカティ)を抑えていること。フィリピン経済はマカティ中心に回っており、ここを拠点としてあらゆるグループ会社が事業を推進しているため、フィリピン経済の成長=Ayalaグループの成長に繋がっています。

以前の記事でも書かせて頂いていますが、2020年はコロナの影響でどうなるか微妙ではありますが、フィリピンの国内総生産(GDP)は一貫して右肩上がりであり、アヤラコーポレーションはそうしたフィリピン経済と歩調を合わせるように企業規模を拡大し、成長し続けてきました。今後も多少のどこぼはあれど、旺盛な国内消費や海外からの投資、今後も増え続ける人口などを勘案すると成長し続けるでしょう。

f:id:Philippineinvestor:20200419210938p:plain


musashikoyamalife.blogspot.com


また、アヤラ財閥のグループ戦略の特徴が合弁での事業展開が多い点が挙げられます。フィリピン最大かつ最古の企業であるため、海外から様々なアプローチがあることは容易に想像できます。

日本企業との合弁事業だけでも三菱商事とのPortico Land corp. や太陽光発電事業、ホンダ、いすゞとの自動車販売事業があります。


2020年、創業185年を迎えたアヤラコーポレーションは今後もフィリピンという国とともに、事業の拡大を図っていくことは間違いありません。

また、参考までにアヤラコーポレーションのグループ企業の株価の推移もご紹介します。

Ayala Land,inc

f:id:Philippineinvestor:20200419220428p:plain

不動産事業を展開しているアヤラランドの10年チャートです。アヤラランドはアヤラコーポレーションのグループ企業の中でも中核企業的な位置付けとなっています。

こちらも2020年4月現在、コロナショックで大きく値下がりしていますね。

そして個人的な話ではありますが、私はアヤラランドのさらに子会社であるAvida(アヴィダ)のコンドミニアムをプレビルドで購入しています。

不確実性が高いフィリピン投資において、財閥系であることはとても重要です。そういった意味ではアヤラランドの不動産ということは、それだけで安心感があります。

アヤラランドが手掛けるコンドミニアムについて簡単に解説します。

ちょっと複雑なのですが、アヤラランドはターゲットに合わせて富裕層向けから庶民向けでブランドを使い分けており、5つのブランドで不動産事業を展開しています。

・富裕層向けの超高級コンドミニアムを手掛ける
アヤラランドプレミア (Ayala Land Premier)

・高級コンドミニアムを手掛ける
アルベオ (ALVEO LAND)

・中級コンドミニアムを手掛ける
アヴィダランド (Avida Land)

・庶民向け戸建て住宅専門ブランド
アマイア (Amaia)

・最も庶民向けのエントリー層向けブランド
ベラビータ (Bella Vita)


の5ブランドになります。それぞれのターゲット別でHPの作り方が全く違うのが面白いですね。ここら辺のブランドの考え方は非常に欧米的というか、日本の不動産会社には全くない発想だと思います。

例えば日本を代表するディベロッパーである三井不動産のマンションも、最高級ラインの「パークマンション」タワーマンションは「パークタワー」、都市型立地の高級ラインで「パークコート」などブランドを使い分けていますが、「パーク●●」といった形で正直不動産マニアかマンションマニアでもない限りわっぱり分かりません(苦笑

そういった意味ではアヤラランドのブランド戦略は明確で分かりやすいと思いました。

---

アヤラコーポレーションはフィリピン株式投資をする際、真っ先に候補にあがる企業です。2019年までは割高感があり、なかなか手が出せなかったのですが、このコロナショックで大きく株価を落としました。今はおそらく、10年に一度の買い場です。

私が参考にしているフィリピン株式情報は以下になります。

0 件のコメント:

コメントを投稿