2020年4月11日土曜日

コロナウィルスによるフィリピンの経済損失は最大54億ドル、GDP比1.6%押し下げ

アジア開発銀行(ADB)が4月3日、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が与える世界全体の経済損失を発表しました。

それによると、フィリピンの経済損失は最大54億ドル(GDP比1.6%)と試算。業種別に押し下げ率をみると、特にホテル業やレストラン業など個人サービス関連業が最大9.63%、運輸業は最大3.42%とされ、影響が大きいとしています。

 一方で、製造業・公益事業・建設業は1.42%および農業・鉱業は1.60%、商業・貿易は0.98%と比較的影響が小さいとされています。


また、フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は4月3日、新型コロナウイルス対応計画を発表し、新型コロナウイルスの国内感染拡大により家計支出の低迷、失業率の増加といった国内経済への影響は既に発生しているとしながらも、5.5~6.5%とした従来の2020年の経済成長予測を据え置いています。
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ジェトロが上記のような資料を発表しており、この表が分かりやすいですね。全世界では、コロナウィルスの影響で、GDP比-4.8%のインパクトがあると発表されています。その中でも日本は5.5%、アメリカで5.6%、イタリア6.2%と先進国ほどそのマイナスインパクトが大きくなっている一方、東南アジア各国や新興国では先進国ほどのマイナスインパクトは発表されていません。
しかし、正直これも、新型コロナウィルスのワクチンがいつ開発されるのか?ロックダウンはいつまで続くのか?でそのインパクトはかなり変わってくると思います。特にフィリピンのような経済やインフラが脆弱な国では、GDPのインパクト以上に人々の生活の困窮など具体的な生活インパクトが大きくなってくるでしょう。
フィリピン政府はGDP成長率を据え置いてはいますが、これは正直全くあてになりませんので、引き続きコロナの影響を注視していく必要があると思います。

最後に、フィリピンのGDP成長率の推移を載せておきます。東南アジアの中でもトップランクで成長を続けているのがフィリピンです。
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